「peppers-project exhibition」

展示のお知らせです。

peppers-project

私の修了制作の作品を展示させてもらえることになりました。
言い換えると、好き勝手建築をぼろくそに言って見て歩いてるやつが、いったどれほどのものを作っているんだ、ということを知ることができる恐ろしい機会です。


小さな銀座のギャラリーで一週間ほどの展示となります。
東京にお住まいのかたであれば、それほど損をさせるつもりありません。ついでに銀座をぶらぶらするきっかけを含めてちょんちょんって感じです。
近郊のかたであれば、交通費に見合ったものであるか、疑わしくなってきます。
それ以上距離があるかたは、是非ともこちらからお引き止めさせてもらいます。
そこの奇特なあなた、来ちゃだめです。

少しだけ、説明させてもらうと。

テーマは、形体操作のひとつの方法。
明確な形体操作の手法と、明確なスタディプロセスを求めようとしたもの。
というのはおっきなテーマで、具体的にやったことは、

「内か外か」

というものです。


空間のコンテキストというものを考えてみたとき、まずその最も根源的な制約が、内部であるのか、外部であるのか、じゃないだろうかと思う。
んじゃあ、その内部か外部か、ってどこで決定されるのか。
感覚的な内外、物理的な内外なんていうふうに分けて考えることもできる。
どれだけ外部を取り入れる、なんて言ってみても、ガラス張りであれば、やはり空間の使われ方は内部だったりする。
縁側はどうだろう。土間なんていうのは、外部が内部に浸食したものか。パティオとか、中庭、光庭、坪庭なんんていうのも日本にはある。
欧米では、重厚な門をくぐって、『中に入って、外部に出る』みたいなことも起こる。
そんなことを思ってみれば、内部、外部、は空間性を規定するもっとも根源的なもの、という考えはそれほど違っていないと思う。

しかしそれほどの空間を規定する力を持っていながら、手法として明確化されているわけではない。
わかっているのは、境界が曖昧な空間も含めて、住み手は作り手の意思を超えることができているわけではない、ということである。
そしてこの事実は、住み手にはいつも不自由なことだ。
フレキシブルなどと言ってみても、やはり作り手が想像した範疇でしかない。空間に与えられる性質は「外」「内部的にも外部的にも」「内」という三つに完全に分類することが可能で、一度与えられた空間生が揺らぐことはまずあり得ないのである。
これは本質的な意味で、フレキシブルとは言い難い。
結果、フレキシブルは、名称不要のワンルームタイプの空間を言い当てるための言葉になってしまっている。
もちろん、ワンルームタイプもまた、フレキシブルのひとつのモデルであることは確かである。
しかし、作り手の意図をもって、住み手に決定を委ねることのできるモデルは、その派生だけではないし、当然まだ出し尽くされてはいない。
そして、その現状には形体軽視の問題が潜んでいるのである。
形体をそこそに、機能に頼って、家具に頼って、仕上げに頼って、模型の添景に頼って、パターンを網羅したパースに頼って曖昧な空間を創出する、ソフト重視、プレゼン重視の問題である。
今もって洞穴を建築呼び、その内奥を内部と指差すのであれば、建築にとってソフトなどは形体の強さのどれほどの意味も本来もってはいないはずである。
ソフトに頼り切った状態で語られる図面や模型は、もはや飽きるほど見てきた。
今、私が知りたいのは形体の強さであり、ソフトに取って代わられたハードの復権がなし得るのかどうかである。
そのために明確なスタディプロセスの結果を経て形体を決定した結果、内部と外部の決定を住み手(見る側)に委ねる形体であること、を目指したのである。

そんな建築。
いや、それを追求した作品、になっているといいな、という作品。

なーんーでーすーがぁー。

今回の展示では、もうひとつ重要なテーマを設けています。
それは、所詮、プレゼンテーションとしての強度しかない学生の建築作品を、アートとして成立させる。つまり、これをもって、これこそが作品であるというアートとしての強度を持たせることができるかどうか、というもです。

絵画にしろ立体にしろ、アートは建築と比べて説明が不要です。
なぜなら、見ているそのものが作品であり、それが自分にとって、なにか感じるものなのか、なにも感じないものなのか、でしかないからです。
焦点を合わせるための補完的な説明こそ必要かもしれませんが、それが重要なわけではない。
作者の意図を超えて、ズレたところで感じ入ってなんぼ。
そんな潔さや強さがある。

しかし、学生建築の作品は、模型はまだしも、紙面になるとかなりどうしようもない。
それをなんとかしたい、というのが今回の展示の主題なんです。
展示で、小難しい説明をするつもりはないです。ただ、なんとなくおもしろい、か、つまらない、かというところで勝負してみたいんです。

それは、アート作品と並列されているためでもあるし、建築とは無縁の人たちにも楽しんでもらいたいからなのですが、とにかく、展示は、プレゼンテーション、という枠から外れたものにしています。

そんなところも楽しんでもらえたら、と思います。


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.2007.04.26
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